桜吹雪が舞い散る一日、新宿の京王プラザホテルで開催している「久保田一竹の世界展」を見に行きました。手描友禅で生計を立てながら、「辻が花染め」に魅了され、研究を重ね、60歳にして「一竹辻が花」を発表。本年生誕100年を記念して当ホテルで展覧会が行われています。

以前に河口湖にある「久保田一竹美術館」で初めて「一竹辻が花」を見たときは、とても衝撃を受けました。色といい、技法といいこれまで見たことがない艶やかな着物の数々。その独特な世界に吸い込まれて行きました。

今回は、紫陽花と杜若の友禅染めの着物もあり、新鮮に映りました。染めに中に日本刺繍が所々に施され、とてもモダンなデザインでした。

「一竹辻が花」は壮大な富士山をイメージした着物が多く展示され、その世界に魅了されました。

もう一つ興味深かったのは愛用していた道具です。日本画と似た道具を用いています。一竹辻が花には美しい墨の線が描かれています。自身も友禅染めの仕事をした事があり、和紙に描くのとは違う、布に描く線描きの難しさを実感しました。自らが体験して改めて見るとその凄さが心に響きます。

一竹のコレクションも展示されていました。中国明の時代の綴れ帯です。日本刺繍が施されています。

一竹が愛したとんぼ玉もたくさん展示されていました。着物の独特な色合いは、多くのとんぼ玉との出会いから影響を受けているような気がします。

スケール感のある着物を堪能した後、メインロビーにも壮大な桜の生花があり、またまた感動しました。

ホテルでスケールの大きな芸術に魅了され、とても豊かな気持ちになりました。4月30日まで開催しています。新宿にお越しの際は是非足を運んで見て下さい。

 

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