1. 小雨の降る中、茨城県立美術館で開催中の「東山魁夷展」に行きました。唐招提寺御影堂の障壁画展です。迷いの中、日本画の道で生きていこうと思い始めたとき、この障壁画に出会った時の溢れる感動は今でも忘れられません。

あれから、20数年の月日が経ち私もそれなりに人生を歩み、拙いながら水墨画で屏風絵を制作しました。そして またこの障壁画と再会出来る喜びを心から感じています。

いよいよ美術館に到着です。

ご存知の通り、鑑真和上は、日本に仏教の戒律を伝えようと、多くの苦難を乗り越え、最後は両目を失明しながらも日本にたどりつき、唐招提寺を開基しました。

そんな鑑真を思いながら画伯は、日本国内や中国を度々巡リスケッチを重ね、構想を練り上げて行きました。

今回は、大画面にする前の「小下図」「中下図」も公開され、制作の過程を見る事が出来たことも貴重でした。下図とはいえ、本当に精巧に構成され、美しい日本画の色が施され画伯の制作に対する深い思いを感じました。

また、中国の風景は全て水墨画で描かれ、湧き出る雲の動く様子や風の音が聞こえる様な揺らめく木の葉の表現など、その深い精神性を感じました。

私など足元にも及びませんが、迷いながら自分なりに道を歩み続け、いつかまたこの障壁画と再会した時、もっとその奥にある深い世界を心に刻む事が出来たら‥と思います。

今度は是非唐招提寺でお会いしましょう‥。

 

 

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